「光よ そして緑」からみる「終わりのない歌」の幕開け
こんにちは!イシヅカです!
今回は、男声合唱組曲「終わりのない歌」(作曲:上田真樹 詩:銀色夏生)より
「光よ そして緑」という作品の詩を取り上げます!
(なお、私の手元にある楽譜が混声版のため、資料はそちらを参考にしています。)
光よ そして緑よ
この胸に余るほど何を
伝えたいのか
あなたほどにまっすぐに進むものはありません
試して下さればわかること
それとも
遊んでいるのですか
進みきれない僕たちを
(閲覧資料:・混声合唱組曲「終わりのない歌」「あなたのことを」・作詩:銀色夏生・作曲:上田真樹・第1版第1刷発行:2017年9月15日・発行:株式会社全音楽譜出版社《閲覧日:2019年2月13日》)
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まっすぐに進む緑?
1つ目のキーワードとして第2連の「まっすぐに進むもの」を取り上げます。
第1連において、「光よ そして緑よ」と呼び掛けているため、「まっすぐに進むもの」は光や緑を表していると考えます。
しかしそうすると、「まっすぐに進む光」は考えるのは容易ですが、「まっすぐに進む緑」とは何でしょうか…?
私は「光」と「緑」と聞いて、「太陽」と「木」を想像しました。
木は成長するために本能的に光を求めます。
そのような木の生態的本能と、光を「まっすぐに進むもの」と表したのではないかと私は考えました。
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何して遊んでるの?
次に、第3連の「遊んでいるのですか」を取り上げます。
これは「遊ぶ」という字より「弄(もてあそ)ぶ」という字の方がふさわしいと私は考えます。
いつまでも真っ直ぐな気持ちを伝えられない僕たち。それに対して、いつだって真っ直ぐな光と緑。
「遊んでいるのですか」というのは、光と緑へ「真っ直ぐになれない僕たちを弄んでいるのですか?」という気持ちなのでしょう。
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僕「たち」?
キーワードの最後に第3連の「僕たち」を取り上げます。
なぜ「僕」ではなく「僕たち」なのでしょうか?
テクストとして改めて見つめ直すとそれは、「僕ともう一人相手がいるから」だと私は考えます。
「あの人のことが好きだけど、あの人は僕をどう思ってるんだろう…」という気持ちは恋愛には付き物ですよね。(非リア)
そんな気持ちが《僕と僕が想う相手》にはあるのです。
いつまでも自分の気持ちが伝えられない。という気持ちがお互いにあるため、「僕」ではなく「僕たち」なのだと私は考えます。
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まとめ
この「光よ そして緑」で注目したい部分は、全体的に通して丁寧な言葉遣いであることです。
丁寧な言葉遣いは性別を感じさせないため、詞への共感者の幅を広げます。
爽やかで歌いやすい詩は、壮大なラブソング組曲の良い幕開けになるでしょう!
合唱の歌詞に魅せられて…(自己紹介)
こんにちは!目を通していただきありがとうございます!
私の名前はイシヅカ(choruslover)と申します。
私は高校時代、3年間合唱に打ち込みました。結果、合唱の歌詞に惚れ込みました!
このブログでは、合唱の歌詞を自分なりにテクスト分析して、詩の良さを伝えていきます!
更新は不定期ですが、どうぞよろしくお願いします!